杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

板橋区立郷土資料館 古民家年中行事 ヒナマツリ

板橋区立郷土資料館で2月20日から開催している古民家年中行事・ヒナマツリを見た。 3月3日の雛祭りに合わせる形で、郷土資料館奥の旧田中家住宅にて、幕末・明治期の内裏雛や昭和時代の段飾りを中心に展示している。 雛祭りは女の子の成長を祝い、幸せを願う…

日比谷図書文化館 特別展「複製芸術家 小村雪岱 ~装幀と挿絵に見る二つの精華~」を見た。

先日、内幸町に足を運ぶ機会があったので、日比谷図書文化館に立ち寄り特別展「複製芸術家 小村雪岱 ~装幀と挿絵に見る二つの精華~」を見た。 小村雪岱というと、泉鏡花の本の装幀を多く手掛けた人として記憶している。かなり以前、NHKの「テントでセッシ…

面白くなってきやがった

近頃は、相変わらず公私ともにけっこう辛いことも多く、その時はもう何もかも投げ出したくなるほどだが、年単位での傾向ということで捉えると、少しずつではあるが前へ進んでいるのじゃないかな、などと考えている。好きなことをやり続けることがやっぱり大…

千一夜物語

最近、『完訳 千一夜物語(一)』(豊島与志雄、渡辺一夫、佐藤正彰、岡部正孝訳、岩波文庫、1988年)を気が向いた時にぱらぱら読んでいる。計1001話、文庫で13巻もあるので、一気に読み通す気にはとてもなれないので、気が向いた時だけページをめくるのであ…

板橋区立美術館「第20回 福知山市 佐藤太清賞公募美術展」

板橋区立美術館で2月18日から21日まで開催された「第20回 福知山市 佐藤太清賞公募美術展」。 これは、福知山市が同市出身の日本画家・故佐藤太清の功績を讃え、その志を継ぐため21世紀の芸術文化を担う人材を育成するべく、全国の高校生・大学生等から絵画…

オファー

クリス・ギレボー『0円副業のススメ』(中西真雄美訳、小学館集英社プロダクション、2018年)は、アイデアをサイドビジネスに育ててお金を稼ぎ、人生の自由を得よう、といったことを述べる、タイトルの通りの本。 その中に「アイデアをオファーにしよう」と…

演劇人ワナビの話

学生時代に書いた手書きのシナリオの書籍化に取り組んでいる。ペラ250枚ほどの作品なので、映像化したら単純計算で2時間以上の大作になる。 「東京放浪記」というタイトルで、このブログで公開すると二年ほど前に告知したきり、忘れてしまっていた。まあ公開…

自分会社

山崎元『会社は2年で辞めていい』(幻冬舎新書、2007年)にこんなことが書かれている。 自分の人材価値のマネジメントを考えるうえでは、自分自身のことを、「自分」という一人の社員だけを使い、「自分の労働」という商品・サービスを売っている会社だと思…

こたつ記事ライター雑感

こないだの「ねほりんぱほりん」は、いわゆる「こたつ記事ライター」が出ていて、ネットメディアにおける劣悪な記事づくりを続けた話をしていた。私もライターという仕事をしているので、色々と考えさせられた。 ネットからテキトーに情報を集めて記事を書い…

承認

現代アーティストの活動を取材したドキュメンタリー番組で、そのアーティストが、「アーティストは承認されたがっている」「アートは届けなくてはゴミ同然」といったことを言っていた。 アーティストと労働の問題を考える上で示唆があるなぁと思った。小説も…

結果だけが守ってくれる

ビジネス系ユーチューバーが動画でそんなことを言っていた。その通りだと思う。前にも書いたが、社会人になったら結果が全てで、頑張っているから評価してくれ、というのは甘えに過ぎない。頑張ること自体はすばらしいが、ブツを出せなくては他人は満足しな…

岩波映画

町田哲也『家族をさがす旅』(岩波書店、2019年)を読んでいるが、色んな意味で面白い。 入院した父の事績を息子が辿る、というストーリーがまず興味深い。それは、私自身が家族の事績を辿ろうとしたことがあるからだ。私のは中途で休止しているが、本書に刺…

佐伯一麦と秋山駿

毎日新聞1991年6月25日(火)夕刊6面の「文芸時評」に、佐伯一麦『ア・ルース・ボーイ』と「行人塚」のことが載っている。他に、三浦哲郎「あわたけ」も紹介されている。評者は秋山駿である。 こんにち、私小説はその系譜が消滅してしまったのではないかと思…

佐伯一麦と「U氏」

佐伯一麦『散歩歳時記』(日本経済新聞社、2005年)の「人生日々是取材」は、山形新聞2005年1月25日夕刊に載った記事で、『鉄塔家族』で大佛次郎賞を取った後に新聞や雑誌の取材を受けたことから、記者やライターの「取材」について述べた随筆である。 この…

いまだに

「未だに」と「今だに」が周囲に混在している。 「いまだに〜ない」の意味で使うなら「未だに」だと思うが、「いまだに〜いる」の場合でも「未だに」を使っているのを見たことがある。その場合は「今だに」か?…いや、そもそも「今でも」の方が正しいんじゃ…

2割共有

会社では一つの仕事を集団で進めているので、社員相互で認識の齟齬があるのは良くない。その仕事の目的、内容の方向性、などなどについて関係者同士の認識を統一させながら進めるのが、効率的かつ確実な進め方である。それはまぁ、当たり前のことだと思う。 …

創作雑記25 実験精神

以前は傑作小説を書こうと意気込みすぎていたように思う。 最近、仕事などで色んな価値観の人と関わり、また仕事のプレッシャーにつぶされそうになっている人と話し、そして自分自身もプレッシャーがキツいなと思うことがあったりして、そんな風に思ったのだ…

つらい小説

柳美里『JR上野駅公園口』(河出文庫、2017年)を読んだ。全米図書賞翻訳文学部門受賞作。 天皇(現上皇)と同じ日に生まれた主人公が、経済成長のうねりに翻弄されるように生き、縁者が死に、上野公園でホームレスをしながら孤独と絶望を舐め、そして平成の…

しつこさ

起業して成功する秘訣は「しつこさ」であるらしい。以前、起業家が成功するには何が必要か、というテーマで実業家たちがネットメディアで座談会を開き、その中である実業家が「しつこさ」を挙げていた。また最近読んだ藤井孝一『大人の週末起業』(クロスメ…

安野光雅の思い出

画家の安野光雅が亡くなった。亡くなったのは昨年12月のことだったらしい。 『ふしぎなえ』とか『はじめてであう すうがくの絵本』とか『10人のゆかいな ひっこし』とか、頭を鍛えてもらえる絵本で印象に残っている。もっとも、それらは子供に買ったもので、…

「新潮」3月号「創る人52人の『2020コロナ禍』日記リレー」

「新潮」3月号は「永久保存大特集 創る人52人の『2020コロナ禍』日記リレー」が掲載され、執筆者の中には佐伯一麦もいる。 その他の執筆者のも含め、一年分ざっと読んだのだが、いったいこの特集はどうやって作ったのだろうと思った。 リレー形式の日記は、…

社会の窓

「本の雑誌」に連載中の鈴木輝一郎「生き残れ!燃える作家年代記」が面白い。作家として生きることを巡るエッセイで、2021年1月号は(21)心がけ編「社会の窓はいつも開けっ放しにしておくのが肝要なんでござる」である。 ここでいう「社会の窓」は、ズボン…

「教養」の衰退?

先日、日経新聞の1991年5月の縮刷版を読んでいたら、「現代の「教養」いずこへ」という見出しの記事があり、面白そうだったので読んだ。 「「教養」という言葉の地位が低下している。」という一文で始まるその記事は、出版社や大学の方向転換を引き合いに、…

里見弴の東條暗殺計画

文学研究の一環で昔の新聞の縮刷版を読んでいたら興味深い記事を見つけた。日経新聞1991年5月18日の36面の文化欄に載っている「東条暗殺計画 里見弴が文士の心情 告白テープ明るみに」という見出しの記事である。 里見弴が東條英機を暗殺しようとしていたの…

腕を撫す

「うでをぶす」と読む。自分の腕前を十分に発揮できる機会を待つ、という意味。 最初に見たのは古い新聞のたしか経済面で、ある企業が画期的なシステムだか商品だかを開発して業界の中で一歩前に出たことに対し、競合他社の、同じようなシステム・商品を開発…

「繊細さん」が辿る道

武田友紀『繊細さんが「自分のまま」で生きる本』(清流出版、2019年)は、HSP(Highly Sensitive Person)=生まれつき繊細な人が、自分らしくのびのびと人や社会と関わる生き方について書かれた本。 その第1章「繊細さんとは」に、アメリカの心理学者エレ…

支戦場と本戦場

岸見一郎『人生を変える勇気』(中公新書ラクレ、2016年)は、「踏み出せない時のアドラー心理学」というサブタイトルがついている。本書は、生きるなかで遭遇するさまざまな悩みに対し、どのような意識で対処すれば自分らしい人生を進めるか、といったヒン…

無理ゲーの敗因は自分か

仕事のモチベーションに関する心理学についてのネット記事を読んで、たしかにそうだと思いつつ、さらに考えた。 記事は、仕事の成功・失敗を自分のせいにするか、自分以外の要因のせいにするかで、モチベーションの高い低いが分かれる、と述べ、前者の方が成…