杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

承認

現代アーティストの活動を取材したドキュメンタリー番組で、そのアーティストが、「アーティストは承認されたがっている」「アートは届けなくてはゴミ同然」といったことを言っていた。

アーティストと労働の問題を考える上で示唆があるなぁと思った。小説もそうで、いくら重厚長大な作品が書かれようと、読まれなければ何の意味もなく、ゴミくず同然だろう。そして、作家は自分が書いた作品を多くの人に読んでもらい、気に入ってもらいたいと願っている。それが「承認」である。新聞や雑誌やAmazonでの好意的なレビューや、印税という形などで受け取ることになる。意識の高い作家であれば、販売部数や印税が少なくてもついてきてくれる読者がいれば満足だろう。あるいは、好意的なレビューでなく厳しい指摘でも、建設的意見として受け入れることができる。