杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ゴジラギャラリー

東京都心の再開発がすごい。先日、東京駅の方に仕事で行ったら、建設中の敷地の仮囲いに「ゴジラ」の展示がしてあったので驚いた。「常盤橋街区再開発プロジェクト」という、三菱地所をはじめとした事業主が手掛ける案件で、正式名称は「大手町二丁目常盤橋…

今村昌平の精神

日本映画大学ホームページの「建学の理念と精神」は、学校の理念について今村昌平の言葉を掲げている。 http://www.eiga.ac.jp/about/mission.html 私は大学の前身である「日本映画学校」の卒業生だが、この言葉は私が学校に行っていた時にはすでにあった。 …

将門塚は動かない。

仕事で大手町に行ったので将門塚の方へふらふら歩いていったらその区画が工事中だった。工事とは、三井物産と三井不動産が進めている大規模複合開発「OH-1計画」で、2020年に竣工する予定になっている。敷地には2棟のオフィスビルが建てられ、広大な緑地も設…

機械遺産「カルーセル エルドラド」

としまえんにある回転木馬「カルーセル エルドラド」は、日本機械学会が認定した「機械遺産」の一つである。遺産第38号として認定されたのは2010年。20世紀初頭のアールヌーヴォー様式の装飾が施された芸術品と機械技術が融合している、というのが認定理由で…

70000字書いた!

今日は、ちょっと驚くことがあった。 昨年末から、仕事で一つの冊子(読み物中心)を作っているのだが、この一か月間くらいが原稿作成のピークだった。毎日、朝から深夜まで机にかじりついて原稿を書き、何とか脱稿予定日に間に合わせたのだ。ほとんど固定姿…

変わりゆく街

「板橋区都市づくりビジョン」が発表された。概要版を読んでみて、これから街がどのように変わるか、とかいうことより、これまで漫然と眺めていただけの地元の街を、都市計画のおおまかな方向性の下に俯瞰的に見られるのが面白い。 以前、私はタウン誌の会社…

Y字型の橋脚

板橋区高島平にある都立赤塚公園は、首都高5号池袋線を挟んで丘の方まで広がっている。首都高は高架になっているのだが、これを支える橋脚の一部がY字型になっている。 昨年9月、高島平駅前の広場でUDCTakのイベントが開かれ、「高島平ヘリテージ」が紹介さ…

団地

『世界一美しい団地図鑑』をぱらぱら読んだ。都市圏への人口流入、それに伴う住宅需要に応えるため作られていった団地。それが、単に人をたくさん住まわせればいいというのではなく、景観や意匠や住人の暮らしにも配慮して作られたというのがよくわかる。多…

東京の果て

私が住んでいるのは、東京のほとんど果ての辺りだ。 駅を出て歩道橋を渡っていると、その下の大きな道をトラックなどがビュンビュン走り過ぎて行く。 近くにはこれまた大きなトラックターミナルがある。先日公文書館で読んだ本には、これは他地域からやって…

ゾラと水野亮

バルザックの『知られざる傑作』(岩波文庫、1928年)の水野亮による訳者あとがきには、バルザックは長篇のほうが知られているが、短篇でも読み応えのある作品がなくはない、と書いてある。続けて、 いったい、同一作家でありながら、同時にすぐれた長篇も書…

中村正義と武重邦夫

武重邦夫・近藤正典の共同監督映画『父をめぐる旅 異才の日本画家・中村正義の生涯』(2013年)を観た。これは愛知県豊橋市出身の日本画家・中村正義(1924-1977)をめぐるドキュメンタリー映画で、娘である中村倫子さんを視点人物として関係人物に話を聞き…

北方謙三と純文学

北方謙三先生が集英社文庫でついに100冊目の本を出したのを朝日新聞の広告で知った。100冊目は「岳飛伝」の完結巻である。ネットで「北方謙三 100冊」で検索すると、Kindleの本が引っ掛かった。 中身は読んでいないが、この無料電子書籍には全100冊の目録も…

バルザック作品の訳者・水野亮

水野亮(みずの・あきら、1902-1979)は、バルザックの小説の翻訳などを行ったフランス文学者、翻訳家である。 私はバルザックの小説が好きで、それを読むのがライフワークの一つになっている。東京創元社の「バルザック全集」は地元の図書館にあるが、通勤…

川上眉山の墓

森鷗外の小説『雁』の冒頭に自殺した川上眉山(1869-1908)のことが書かれている。 あのとうとう窮境に陥つて悲惨の最期を遂げた文士の川上である。 小説の語り手と同じ下宿にいた「岡田」という人物が川上に似ていた、という下りである。川上の写真はネット…

小谷野敦先生の『谷崎潤一郎伝』に、谷崎は売春について、誘われれば行かないことはなかったが、本心では得体の知れない娼婦を極力相手にしたくなかったのだろうと述べられている。「雪後庵夜話」の、誘われ連れて行かれるものの友達の手前面白そうにしつつ…

中村文則と板橋区

https://mainichi.jp/articles/20170823/dde/012/040/004000c 中村文則の『銃』は板橋区高島平を舞台にしているらしいが、この記事には、中村氏はかつて西高島平駅近くのワンルームに住んでいて、歩いて15秒ほどの場所に「埼玉県」の看板があった、とある。 …

ドイツの死刑執行職

デフォーの『ロビンソン・クルーソー』(平井正穂訳、岩波文庫)にはドイツの死刑執行人に言及する箇所がある。フライデイが登場し、人の首を切り落とすシーンで、 ドイツの死刑執行人でもこれほどす早く、これほど見事にやってのけるものはまずあるまいと思…

ファッションワナビについて

私は、作家や、何かのプロに憧れ、それになろうと努力している人(ワナビ)に共感している。小谷野敦先生を通して知った宮尾登美子の日記や吉村昭『私の文学漂流』などを読むと辛くなってくるのは、本人のワナビ時代の思いが少しは分かるからだろう。 しかし…

「調べて書く」は大切だ

いつぞや、会社の上司が立花ゼミの『二十歳のころ』を絶賛していて、やたらと「調べて書く」ことを推奨していた。私はその元上司を今でも嫌っているので認めたくないが、ライターという仕事をしていて、「調べて書く」はとても重要であるのは間違いない。 こ…

高島平が出てくる小説

四條識 (しじょう・しき)は、1980年生まれ、東京出身である。日本工学院専門学校を経て、2004年よりforsevenoneeightone(フォーセブンワンエイトワンと読むようだ)というバンドで活動していたが、2014年に解散。2017年1月に発行された『蚕録』で小説家デ…

都営新河岸二丁目アパート

板橋区の都営新河岸二丁目アパートは都営三田線「高島平」駅から歩いて10分ほどの場所にある都営住宅である。今、ここの建替計画が進められているが、インターネットでは不思議なほど誰も何も書いていない。 ツイッターではある人が、この団地の高齢化率が45…

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