杉本純のブログ

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中村正義と武重邦夫

武重邦夫・近藤正典の共同監督映画『父をめぐる旅 異才の日本画家・中村正義の生涯』(2013年)を観た。これは愛知県豊橋市出身の日本画家・中村正義(1924-1977)をめぐるドキュメンタリー映画で、娘である中村倫子さんを視点人物として関係人物に話を聞き、中村正義の人間像を描き出している。

監督の武重さんは1939年生まれで、愛知県名古屋市出身。早稲田の教育学部に入り、在学中に今村昌平に会ってスタッフになったと聞いている。その後、今村プロ結成にも加わり、長いこと今村さんの助監督をして、今村さんが創った横浜放送映画専門学院(のち日本映画学校、現日本映画大学)の講師から相談役まで務め、2015年に亡くなった。そのお別れの会は川崎市麻生区のトウェンティワンホールで行われた。

この映画は武重さんの晩年の作、ということになる。武重さんがこの映画を創ろうと思った経緯は、シネマネストジャパンのホームページに書いてある。
このたびDVDを観て、とても面白かった。中村正義の画壇との苦闘から、日本の戦後文化の一側面が見えてくるような気さえした。