杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

ホリー・ジャクソン『自由研究には向かない殺人』

設定が面白い

ホリー・ジャクソン『自由研究には向かない殺人』(服部京子訳、創元推理文庫、2021年)を読みました。

高校生の主人公ピップが、街で5年前に起きた失踪事件について高校の自由研究で調査をし、ついには本当の殺人犯を突き止めるという話です。自由研究で事件を調べる、という設定が面白かったですね。

ピップが調査の手法として用いたのはインタビューです。また、やがて犯人らしき人物から調査を止めるよう迫る脅迫メッセージが届いたりして、ミステリよりもサスペンスのような感じがしました。

またピップは、この自由研究を行う傍らでケンブリッジ大学への入学を目指して勉強もします。ところが、自由研究にのめり込み、脅迫メッセージへの恐怖もあって、勉強にはあまり身が入りません。それでも最後は自由研究の成果が大きな反響を呼び、大学側の人間をも驚嘆させたようで、ピップはケンブリッジ大学に合格します。ケンブリッジ大といえば世界最高峰の大学と認識していますが、あまり勉強しなくても入れるのかな?と思いました。

本作はシリーズ化されており、第4巻まで出ており、いずれも本作と同じ町が舞台にしているようです。一つの街で繰り広げられる複数の事件を連作で描くことには興味がありますので、全部読んでみようと思います。