杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ブログよりも小説

このところ、ブログを継続するのが難儀である。 というのは、小説が調子よく進んでいるからであり、やはり私はブログの執筆より小説執筆を優先させたいと思っているわけだ。 ブログは調べ物・書き物の発表の場であるが、それはまとまった一篇の小説とは違い…

青春の意味

最近、ずっと取り組んできた小説をやっと最後の一行まで書き終えた。あとは少々推敲し、手直しすれば完成するところまできて喜んだのだが、あることに気づいて驚いた。 その小説のラストが、十年以上前に書いた別の小説のラストと酷似していたのである。別の…

大宅壮一文庫に感謝

大宅壮一文庫が在宅勤務支援として26日まで「Web OYA-bunko 会員版」の無料トライアルを実施してくださり、とてもありがたかった。この期間に、気になって調べたいと思っていた文学者、藝術家の名前をかなり調べることができた。 大宅文庫には過去に二度、足…

創作雑記21 たくさん読み、たくさん書く

スティーヴン・キング『書くことについて』(小学館文庫、2013年)にこう書いてある。 作家になりたいのなら、絶対にしなければならないことがふたつある。たくさん読み、たくさん書くことだ。私の知るかぎり、そのかわりになるものはないし、近道もない。 …

佐伯一麦と中上健次

佐伯一麦『蜘蛛の巣アンテナ』(講談社、1998年)の「夏の谺」は、徹夜明けの薄明の中で聞くヒグラシの声から、中上健次とのエピソードを想起する随筆である。 佐伯一麦は新宿の酒場で中上健次に会ったのだが、そこで中上にこう言われたという。 「そんなん…

創作雑記20 集中力

勤め人をしながら作品を書くのはあまり楽ではない、と思う。昼間は会社の仕事で執筆の時間が取れず、では夜はじっくり書けるのかというと、昼間の仕事でへとへとになっているのでなかなか上手くいかない。自然と週末に集中的に書こうと考えるわけだが、長い…

佐伯一麦と大江健三郎

佐伯一麦の「一麦」というペンネームは、ゴッホが麦畑の絵を多く描いたことに由来している。このことは色んなところに書かれているが、『蜘蛛の巣アンテナ』(講談社、1998年)に収められている「ペンネームについて」には、この名前に関する大江健三郎との…

年譜づくり

ある小説家の年譜づくりをしている。その作家は存命で、私の他にも研究者がいてある程度の年譜はできているが、もう十年以上更新されておらず、私が取り組む価値は十分にあると思う。さらに、他の研究者が作った年譜は詳細には違いないが、もちろん抜けもあ…

仕事を生み出せるかどうか

新型コロナウイルスの影響は深刻で、私はニュースや新聞の知識しかないが、経済活動が減速するというのは恐ろしいもんだと思う。こういう状況下でもできる仕事があるのはありがたいことだ、という思いが強い。 この間に漠然とながら感じたのは、仕事ってのは…

図書館休館の打撃

このところ仕事面で打撃になっていることの一つが、新型コロナウイルスの影響で図書館が開いていないことだ。こないだまで予約と受け取り・返却が可能だったが、今はそれすらできない。調べ物をする者にとって図書館は必須の存在なので、つらいところである…

佐伯一麦の古井由吉追悼文

佐伯一麦による古井由吉の追悼文の一つが、朝日新聞4月11日(土)朝刊に掲載された。 佐伯は、古井と対談したこともあるし、朝日新聞紙上で往復書簡を交わしたこともある。古井の追悼文は複数の新聞社で出ているが、佐伯の文章が朝日に出るのは納得である。 …

映画『二十六夜待ち』評

図書館に行けないので過去の新聞を調べられないのだが、日経新聞2017年12月22日夕刊に、映画評論家・宇田川幸洋による映画『二十六夜待ち』評が出ているようだ。ネットで読むことができる。 評価は星(★)五つが満点で「今年有数の傑作」だが、『二十六夜待…

山崎豊子とバルザック

新潮社編集部編『山崎豊子読本』(新潮文庫、2018年)は同社の山崎豊子ガイドブック(2015年)を文庫化にあたり大幅に編集したものだが、山崎の作品の背景や関連性を取材したガイドブックであり、山崎の作品をそんなに読んでいない私でもとても興味深い本で…

新河岸川風土記3 桜並木

新型コロナウイルスの影響で外出がしにくい今日この頃、花見も自粛ムードで過ぎ去ってしまいました。都内には花見の名所がいくつもありますが、ここ新河岸川の桜並木もなかなか良いです。 都営三田線新高島平駅から荒川の方へ歩いて行くと、新河岸川をまたぐ…

身辺整理

築山節『脳が冴える15の習慣』(生活人新書、2006年)が手元近くにあったので何気なくページを開いていたら、「頭の回転が速いのに物忘れをする人」という見出しがあり、これはと思って読んだ。私はとくだん自分が頭の回転が速いとは思っていないが、以前は…

バルザックと唯物論

バルザック『ゴプセック 毬打つ猫の店』(芳川泰久訳、岩波文庫、2009年)の訳者による解説「化石と手形」を読んでいて、唯物論的なバルザックの世界観について書かれている箇所があった。 建物の外観、室内の装飾、家具、調度品、人の身につけている服装、…

数字を積み上げる

コロナ禍による環境変化がすさまじく、生活にも仕事にも影響が出ている。調べ物とか書き物とか物書きのワイフワークはぜんぜん進まず、だから逆に、これまで私はいかにそういうことを平穏な日常生活のなかでのほほんとやっているに過ぎなかったかを、忸怩た…

無駄な時間は一分もない。

緊急事態宣言が出て一週間ほどになる。新型コロナウイルスの猛威は戦後最大の危機と言われているが、私自身、生まれてこのかたこれほどまでに生活や仕事に影響が出ることはなかった。会社や公立の学校の多くが休みになってしまい、このままでいいのかという…

強制的晴耕雨読

住んでいる地域の公立図書館が休館となった。。もちろん新型コロナウイルスの影響であり、これまで予約資料の取り寄せ・貸し出しはできていただけに残念である。もちろん返却もできないので、借りている資料は延滞になるがペナルティはつかないのだろう。 「…

溜息橋

作家のアンリ・トロワイヤの自伝小説『サトラップの息子』(草思社、2004年)の存在を知り、さっそく入手してぱらぱら読んでみたのだが、これは面白そう。 冒頭は主人公の一家がヴェネツィアにやってくるところで、その中に「溜息橋」というロマンチックな名…

筆を止めるな!

ここ数日は年度末始の慌ただしさにコロナの災いが襲ったので余計に忙しかった。責任ある立場なので配慮しなくてはならない範囲も広く、頭がとにかく疲れるのだ。 こうも頭が疲れてぼぅっとしていると、今日はブログ記事を書くのをやめようか、などとよく思う…

会社は誰のものか

「会社は誰のものか」という議論は、昔けっこう盛んに行われた。しかし、今でもこの手の話題はときどき耳にするし、各人の考えに耳を傾けてみると、人それぞれ考え方が違っているようだ。ある人は、会社は株主とか経営者のものだと思っていて、ある人は社員…

雑感

近ごろ、自分が果たすべき役割が多すぎて何だか憔悴しかけてる。公私にわたるもろもろの義務、加えて自分のやりたいことがあり、さらに愚かなことに怪我をしてしまったし、そこに追い打ちをかけるようなコロナ禍による不自由生活である。色んなことが重なっ…

上司海雲と上司小剣

白洲正子『名人は危うきに遊ぶ』(新潮文庫、1999年)を、知人から紹介されて部分的に読んだ。 本書は白洲の随想集だが、東大寺や東大寺観音院の上司海雲について触れている箇所があったのだ。私は一時期、観音院と上司海雲について調べていた。上司には、『…

人間万事塞翁が馬

先日このブログで触れた柳生雄寛『なかなか自分で決められない人のための「決める」技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2019年)には、人生において決断ができない人は「失敗を極端に恐れる」が、決断できる人は「『人間万事塞翁が馬』と思っている…

ニリンソウ開花

新型コロナウイルス感染への不安からなかなか外出に積極的になれない今日この頃。しかし近所を散歩するだけならそんなに問題はないだろうと思います。 板橋区の都立赤塚公園ではただいま区の花・ニリンソウが開花して見頃を迎えています。板橋区赤塚近辺にお…

「絶対」の探求

バルザックに『「絶対」の探求』という長篇小説があるが、私がバルザックの諸作品を読んで感じるのは、『「絶対」の探求』に限らず、バルザックの主人公ってそのほとんどが「絶対」を探求しているんだろうな、ということ。 主人公たちはいずれも怪物然とした…

カラーバス効果

柳生雄寛『なかなか自分で決められない人のための「決める」技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2019年)は、ある人がネットでおすすめしていたので手に取った。 世の中には「決める」と「思っている」を混同している人が多く、そういう人は「決めた…

おすすめ映画50

コロナの影響で室内にこもりがちな今日この頃、面白い・興味深いを思う「おすすめ映画」をご紹介します。 ある人のブログにおすすめ小説が紹介されていたのに刺激され、私も先日、面白い・興味深い小説を50紹介しましたが、その第二弾になります。例によって…

おすすめ小説50

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、なるべく家の中にいる、という人が多いと思います。 ある人のブログに、そんな時に読むべきおすすめ小説を紹介、という記事がありましたので、私も真似をして、面白い・興味深いと思える「おすすめ小説」を50ご紹介しま…