杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

鳥山明先生の思い出

漫画家の鳥山明先生が亡くなりました。68歳。この時代に68歳は早すぎるように思いますが、やはり、人生いつ何が起こるかわかりませんね。

鳥山先生の影響

さて、鳥山先生といえば、「Dr.スランプ」「DRAGON BALL」の作者であり、「ドラゴンクエスト」「クロノ・トリガー」のキャラクターデザインを担当したことでも有名です。いや有名どころか、漫画家としては世界にその名が知られていますし、私は少年時代に鳥山先生の世界で育ったようなところがあります。

とはいえ、私は「Dr.スランプ」はろくに読んでいませんし、アニメもところどころ拾うように見ただけでした。それでも鳥山先生の世界で育ったとすら思うのは、ひとえに「DRAGON BALL」の存在があるからでしょう。

DRAGON BALL」は、マジュニアが出てきた辺りから本格的に「ジャンプ」で読むにようなりましたが、敵がどんどん強くなっていき、それにつれて主人公たちも際限なく強くなっていくという、いわゆる「強さのインフレ」を目の当たりにしました。

この強さのインフレは、多分に中二病心を刺激するものを持っていたと思われます。また、以後のバイオレンスアクション漫画にも色濃く引き継がれていったとも感じます。

私は、強さのインフレが発生するアクション漫画に少年期に多く触れたことが、自分の精神形成に少なからず影響を与えた気がしてなりません。

その影響は、「仲間を守りたいと思うようになった」「諦めず努力するようになった」といった前向きな変化ではなく、「俺は無敵」「俺には世界を変える力がある」という、イタい中二病を発症する形で現れたように思います。これは、鳥山先生の漫画が子供に悪い影響を与えるものだったということではなく、少年期の私の心根がかなり歪んでいたということでしょう。

良い読者ではないけれど…

私は「FINAL FANTASY」はやりましたが「ドラクエ」は本格的にはやっておらず、「クロノ・トリガー」もきちんとやっていません。そう考えると、私は決して鳥山先生の世界に十分にひたったわけではなく、とうてい、良い読者とはいえません。

それでも、前述のとおり鳥山先生は私にとって大きな存在だったと思えるのです。