杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

数字を積み上げる

コロナ禍による環境変化がすさまじく、生活にも仕事にも影響が出ている。調べ物とか書き物とか物書きのワイフワークはぜんぜん進まず、だから逆に、これまで私はいかにそういうことを平穏な日常生活のなかでのほほんとやっているに過ぎなかったかを、忸怩たる思いを抱きつつ感じている。

環境変化はまた、まともな思考や判断を鈍らせることにもつながっているようである。なにしろ不安が拭えないし、混乱するし、とにかく落ち着かない。それで、調べ物も書き物も身が入らない。しかしそんなんでは物書き失格とも言えるわけで、プロとしてやっていくなら、世間がどんな状態であれ、進められる調べ物・書き物をしなくてはならないだろう。その点、飲食業の人々などは今、まったく接客を伴う飲食の仕事ができないわけだが、それならそれで、新しいメニューを考えるとか接客の練習をするとかやることはあるはずだから、物書きだってこういう事態の下でもやれることがあってしかるべし、と思うのだ。

混乱した状態でも、落ち着かない状況でも、やるべきことを明確にすることはできると思う。要は「数字」である。一日に一記事必ず書く、とか、研究対象のことを調べるために一冊は読む、とかである。そういう分かりやすい指針を立てていれば、どんな状況になろうと自分がやらなくてはならないことが分かる。生活が変化のさなかにあって混乱していても、否そういう時こそ、数字を積み上げるっていう地道な作業が大事だと思う。