杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

2020-04-26から1日間の記事一覧

佐伯一麦と中上健次

佐伯一麦『蜘蛛の巣アンテナ』(講談社、1998年)の「夏の谺」は、徹夜明けの薄明の中で聞くヒグラシの声から、中上健次とのエピソードを想起する随筆である。 佐伯一麦は新宿の酒場で中上健次に会ったのだが、そこで中上にこう言われたという。 「そんなん…