母が絶賛した映画
1995年のアメリカ映画『ユージュアル・サスペクツ』を観ました。
監督はブライアン・シンガー、脚本はクリストファー・マッカリーです。いずれも、知りません。
出演はガブリエル・バーン、スティーヴン・ボールドウィン、ベニチオ・デル・トロ、ケヴィン・ポラック、ケヴィン・スペイシーなど。ケヴィン・スペイシーはこの映画でアカデミー賞助演男優賞を受賞しました。
この映画、かねてタイトルは知っていて、観たいと思っていましたが長らく観る機会がありませんでした。私には、そういう映画が多いのです…。
どうしてタイトルを知っていたのかというと、母親がたしか日本公開時に観て、絶賛していたからです。また、映画学校でも数度タイトルを耳にしたような気がします。恐らく、サスペンス映画の名作として知られていたのではないかと思います。
この年末年始、ちょっと時間に余裕があったので映画でも観ようかと思い、DVDレンタル屋をウロウロしていたら見つけたので、観ることにしました。
『ユージュアル・サスペクツ』あらすじ
「カイザー・ソゼ」という、マンガにでも出てきそうな伝説の悪党(ギャング)がいて、そのソゼと仲間が行った犯罪の一部始終を描いたエンタメ作品です。一連の事件で唯一、無傷で生き残った、手足に障害があるキントという名の男が警察の取り調べを受けて語る話に沿って映画が進行するという、ちょっと凝った作りになっています。
キントには前科があり、映画のメインエピソードであるソゼの犯罪計画が行われる前、別の事件の容疑者として警察に連れてこられます。警察署にはキントの他にも四人の前科者が集められ、事件の関係者に犯人を見分けさせる「面通し」が行われました。計五人の前科者は、容疑者としていつも名が挙がる人物(ユージュアル・サスペクツ)であり、これが映画の題名の由来になっています。
その後、五人はいわば犯罪グループとなり、やがて大きな事件に巻き込まれていき、キントを除く全員が死亡。キントはその経緯をひととおり供述した後、警察署を後にします。
取り調べをした刑事は、すでに警察署を去ったキントの供述がどうやらデタラメだったらしいことを察知し、慌ててキントを追いますが、キントは見つかりません。
事件にはもう一人、生き残った男がいました。この男はソゼの顔を見ていましたが、大傷を負って病院に搬送。警察は、この男の証言を基にソゼの似顔絵が描いていました。
キントが警察署を去ったのとほぼ同じ頃、似顔絵が警察署にファックスで届けられます。描かれていたのは、キントのような顔でした。
つまり、このキントがソゼであり、警察の取り調べを上手くすり抜ける供述をして、身柄拘束を解かれて逃げきったのです。
シナリオと演技が巧み
要するに悪人が正義側の警察を出し抜く話で、ある意味では痛快な作品です。かつてソゼはギャング同士の抗争の過程で自分の妻子を殺したことがあるらしい、胸糞系の極悪人です。私としては最後に警察に撃たれてほしかったですが、まぁ悪人が勝者になるストーリーも、エンタメとして面白いといえば面白いです。
シナリオは回想を巧みに織り交ぜています。上手い。悪役が勝つ話としては『オーシャンズ8』と同じですが、あれよりよっぽど面白かったですね。
あと、ケヴィン・スペイシーが演技が上手い。スペイシーといえば『アメリカン・ビューティー』『セブン』『L.A.コンフィデンシャル』などが懐かしいですが、最近はぜんぜん観ていません。