杉本純のブログ

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こたつ記事ライター雑感

こないだの「ねほりんぱほりん」は、いわゆる「こたつ記事ライター」が出ていて、ネットメディアにおける劣悪な記事づくりを続けた話をしていた。私もライターという仕事をしているので、色々と考えさせられた。

ネットからテキトーに情報を集めて記事を書いていた、とのことだが、私もネット記事などで読んだことをネタにブログでエッセイを書くことはある。ただしそれはあくまでブログのエッセイに過ぎず、ライターとしてクライアントに記事を納品したわけではない。もしライターとして、あることないこと何でもいいからテキトーに情報集めて書いて、と頼まれたら、いちおう受注するかも知れないが、結局ちゃんと取材してしまうだろう。根も葉もないことを書こうとしたら、恐らく手が止まってしまい、まず調べようとすると思う。そして、多分そういうクライアントとの関係は長くは続くまい。

番組に出ていたライターは、会社が運営するサイトのアクセス数を稼ぐためにたくさん記事を出さなくてはならなかった、というのがあった。数字に振り回されて本質を見失ってしまった、ということかと思う。いくらPVを稼いだところで記事が使い物にならなかったらサイト自体からやがて読者が離れていくだろうことは、想像に難くないはずだが。。

しかしこの問題、考えれば考えるほど難しいなぁ、と思う。ネット情報とリアル情報とか、メディアのモラルとか、スピードと品質とか、様々なテーマを内包していて渾然一体としているように思う。本来ならそれらは切り分けて論じなくてはならないが、切り分けることすら簡単ではない気がする。