杉本純のブログ

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繊細さとタフさ

ライターという職業は、文章を通して何かを伝えたい人のために文章を書く人である。つまり一種の代筆業なのだが、代わりに書いて欲しいという人のことを一般にクライアントという。クライアントの要望を聞き、それを実現する文章を書くのは、往々にして楽ではない。クライアントによっては要望がやたら細かく、また要望の内容が前と後とで変わってしまう気まぐれな人もいる。

その良し悪しは別として、ライターはそんなクライアントの要望をかなえ、時にプロとしての助言することなどが求められる。それができなければ、仕事にならない。そして時には、上に述べたような難しいクライアントに真摯かつ粘り強く対応することも求められる。

人の要望を聞き、その欲するところを察知して良い形に仕上げるには、しばしば鋭敏な感性が求められる。一方で、大変なクライアントに当たった時は、真摯さとガッツを持続するタフさが必要だろう。ライターは、繊細でありかつタフであることが理想だと思う。

私の知るライターの中には、繊細さは備えているがタフさがないために疲れてしまい、ギブアップしてしまった人がいる。逆に、タフさは十分だが繊細さがないために、今ひとつ仕事で成果を出せず伸び悩んでいる人もいる。繊細さとタフさは両方必要だろう。ライターに限らずどの仕事でも同じだと思う。