杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

クリエイターワナビ

最近ふと思いついた言葉。クリエイター志望者の中には、クリエイティブが楽しい、というより、クリエイティブってカッコイイ、と思っている人が多いのではないか…そんな風に思ったことから、この言葉が浮かんだのだ。

長年クリエイティブの世界に身を置いているということもあり、これまで星の数ほどのクリエイターを見てきた。その経験から何となく言えるのは、クリエイティブってカッコイイ、と思っている人は、クリエイター(ライターとかデザイナーとか)になった時点、つまり会社に入ったりして名刺を手に入れ、仕事をやり始めた時点で幸せな気分になり、猛然と仕事をやるが、その陶酔の熱気はやがて冷め、ついにはハードワークゆえにバーンアウトしてしまう、という末路を辿る傾向があることだ。これに対し、人の話を聞いて文章を書くのが好きだし楽しい、要素を整理してかっちりとまとめたり飾ったりしてデザインするのが好きだ、という人は、仕事そのものに快楽があるため、長続きする。仕事の楽しさを実感しているのである。また、本当に好きかどうかという点ではこれが割と大きなポイントなのだが、本当に好きな人は、プライベートでも書いたりデザインしたりしているのである。

カッコイイ的な気持ちでクリエイターを目指す人は、つまり「クリエイターワナビ」みたいなものかと思う。クリエイティブが心底好きというより、何者でもない自分に満足できないでいるのである。