杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

環境の力

最近読んだ本から

こんばんは。お久しぶりです。

最近は公私ともに、いや私的にけっこう忙しくて、ブログ執筆が滞っていました。

気がつくと未更新が一か月も続いてしまい、さすがに何か書いて更新したくなりました。そこで、最近読んだ本をネタに書こうと思います。

近ごろは発達障害に関する本を読むことが多いです。覚えているだけで下の三冊を読みました。

●福西勇夫、福西朱美『マンガでわかる中高年のADHDASD生きづらさ克服ガイド』(法研、2022年)

●宮尾益知『ASDアスペルガー症候群)、ADHD、LD 職場の発達障害:職場内での悩みと問題行動を解決しサポートする本』(河出書房新社、2017年)

●宮尾益知『子どもの面倒を見ない。お母さんとの会話が少ない お父さんが発達障害とわかったら読む本』(河出書房新社、2021年)

どうして発達障害に関する本を手に取るようになったかというと、身近な人の言動を見ていて、この人はもしかしたら発達障害なのでは?と思うようになったからです。その人が医者に診てもらったら、明確にそれと診断はされないかもしれませんが、世の中にはそういう傾向を持つグレーゾーンに入る人もいるらしく、私の身近な人はそこに入るかもしれない、などと考えたりもしています。

発達障害については本だけでなく、それを解説している精神科医YouTubeチャンネルでも学んでいます。

また、認知行動療法にも興味があり、こんな本も読みました。

●大野裕『マンガでわかる認知行動療法』(池田書店、2019年)

その他、もちろん小説も読んでいます。

●八木沢里志『森崎書店の日々』(小学館文庫、2010年)

●訪橋美喜「アティチュード」(『ちよだ文学賞 第13回』(千代田区地域振興部文化振興課、2018年)所収)

鈴木輝一郎『めんどうみてあげるね-新宿職安前託老所』(新潮文庫、1998年)

森崎書店の日々』と「アティチュード」は、いずれも千代田区が主催する「ちよだ文学賞」受賞作で、『森崎書店の日々』の方は映画化もされ、続篇が刊行されてもいるヒット作です。また鈴木輝一郎先生の作品は第47回日本推理作家協会賞受賞作。ということで、文学賞受賞作の読書が続いています。なぜか。それはまぁ、別のところで書くとしましょう。

共通の目的があってこれらの本を読んだわけではありません。このラインアップに何ら意味はありませんが、自分自身の人間への関心の持ち方が変わってきているのを感じなくもない。

このごろ強く思うのは、人間という生き物は環境次第だな、ということ。

上に紹介した発達障害に関する本は、主に大人の当事者について書かれたものです。どうやら当事者の中には、幼少時はその障害ゆえの言動が問題化しなかったものの、大人になってからそうはいかなくなり、障害がさまざまな困難として降りかかるようになった人が、少なからずいるらしい。つまり、環境が自分にとって不利なものとなったということで、その困難さは「生きづらさ」にまでなっているのです。

環境の力はとてつもなく強い。逆に言えば、「生きづらさ」を抱える人は、環境を変えることで改善させられるということでしょう。そういえば、小説『森崎書店の日々』は、失恋の痛手を抱える主人公が神保町の古書店に住むようになり、そこに出入りするちょっと変人だけど憎めない人たちと交流して、また自身は読書の面白さに目覚めもして、立ち直っていく話です。