杉本純のブログ

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口内炎の思い出…

朝日新聞の土曜版「be」2月15日に「どうして口内炎ができるの?」という記事が載っていて、私は二十代、三十代の頃に口内炎に苦しめられたことが何度もあったので興味深く読んだ。

口内炎は、たんぱく質を分解する「プラスミン」という酵素が増えると炎症や痛みの元になる物質が出て、悪化するらしい。「プラスミン」はビタミン不足によって発生するようで、

その原因はさまざまらしいが、栄養不足や疲れ、ストレスが影響するようだ。口の中を嚙んでしまい、傷から細菌が入り込んで口内炎になることもある。私が幼少時によく口内炎ができた理由は、主にそれだった。落ち着きがなかったんだろう。しかし、だから私は大人になってからも口内炎ができると、知らない間に口中を嚙んでしまったんだな、と思い込んでいた。

ストレスや疲れや睡眠不足などで「プラスミン」が出ることが原因だと知ったのは、実はけっこう最近のことである。二十代の前半には寝食を忘れて映画づくりに打ち込み、疲労困憊していたし、後半から三十代は、家庭を維持しながら創作にも打ち込んで、とにかく我が身を痛めつけていたように思う。口内炎はほぼ絶えず、ひどい時には三個か四個くらい同時にできて本当に苦しかった。だが、頑張るのは今しかない、などと思い込み、痛みなんてお構いなしで突っ走っていた。けれども忍耐とか気合いでできることなんて限られていて、口内炎を押して頑張って、どれほどのことを成し遂げたかと考えると、心許ない。馬鹿だったとしか言いようがない…。

最近は、口内炎ができると、ストレスが溜まっていて危ないぞ、と躰が教えてくれているのだ、と思うようにしている。