機内で「翼の王国」2月号をぱらぱら読んでいたら、「アメリカ 文学と旅する」という特集があって、ほおほおどんなのが載っているんかいなと読んでみた。この号は「サンフランシスコ ビート・ジェネレーション編」の後編で、作家であり俳優でもある戌井昭人が執筆している。前編は何だったんだろう…
サンフランシスコのノースビーチにある本屋「シティ・ライツ・ブックス」、「カフェ・トリエステ」、「スペックス」、「ヴェズヴィオ・カフェ」といったバー(?)を訪ねた紀行文である。
出てくる作家はジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズ、ゲーリー・スナイダー、グレゴリー・コーソなどで、上記店舗にまつわるエピソードがいくつか紹介されている。
しかし面白かったのはそれら作家の逸話ではなく、映画監督のフランシス・フォード・コッポラが「カフェ・トリエステ」で『ゴッドファーザー』(1972年)の脚本を書いていた、というエピソードである。有名なのかも知れないが、知らなかった。「カフェ・トリエステ」店内にはコッポラがタイプライターで執筆している写真が飾られている、とある。
その写真、もし店に行く機会があったら見てみたいものだ。そういえば、小津安二郎は旅館で野田高梧と酒を飲みながら『東京物語』のシナリオを書いた、と誰かから聞いたな。