杉本純のブログ

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計画と願望

三田紀房ドラゴン桜』8巻(講談社、2005年)に、東大受験に取り組む高校3年生二人が夏休みに入るに際し、学習計画の時間割は作るな、と桜木先生から教わる場面があります。

立てた計画通りに学習できる人は稀であり、そもそも計画を立てるとそれが願望の塊になってしまうから、というのが桜木先生の理屈です。1日24時間を円グラフのようにして、起床から就寝までの学習計画を書き込むと、やりたい勉強をあれもこれも入れてギューギューになり、けっきょく実行することなどできない、ということです。

計画が願望の塊になってしまうのは、勉強だけでなくさまざまなことに共通するのではないでしょうか。

私はエクセルで1日24時間の表を作って、小説の執筆計画を立てたことがあります。何時間で何枚書けば、原稿料1枚5,000円なら一か月でこれくらいの収入になるぞ、という皮算用でした。

しかし実際にその計画通りに書けたことなどほとんどなく、計画は計画倒れになりました。計画ではなく、文字通り願望を書き込んでいたに過ぎなかったわけです。