杉本純のブログ

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コツコツドカン

結実もあれば崩壊も

三田紀房『インベスターZ』10巻(講談社、2015年)はFXによる投資対決が描かれています。FXとは外国為替証拠金取引のことで、円とドルを交換するなど、要するに通貨を交換して行う取引です。久しく名のみ聞いていただけで知らなかったですが、『インベスターZ』でよくわかりました。『インベスターZ』は投資の世界を描く漫画ですが、お金や経済の歴史の勉強になります。

さて、このFXの世界に「コツコツドカン」という用語があるそうです。通貨交換で少しずつ利益を得たあと、一度の取引で大きな損失を出してそれまでも利益をぜんぶ失ってしまうことを指すらしい。コツコツ積み上げてきたものがドカンと崩壊する、といったニュアンスでしょうか。

その言葉をようつべのビジネス動画で初めて知ったのですが、私は、コツコツやってきたことはいつかドカンと実るという思いがありました。ビジネスや作品づくりなども、コツコツとやってきた努力が大きく実ることはよくあるからです。蛍雪の功で出世するとか。

しかし考えてみれば、それまで長年にわたりコツコツと信頼を積み上げてきた会社が、たった一つのコンプライアンス違反で一瞬にして評価を落としてしまうのも、ニュースなどでしばしば目にすることです。積み上げたものが一発で崩壊することは、実はよくある。

崩壊の方はもちろん嫌ですが、『インベスターZ』ではFXはゲームだと言っています。ドカンするのも一興という酔狂な人には向いている取引なのかも。

そういえば以前、会社の同僚が「友人がFXで400万すった」と言っていました。