杉本純のブログ

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情動感染と自己開示

感情は伝染する。は本当らしい

SixTONESがMCをしているEテレの「バリューの真実」をたまに見ています。先日は「トリセツ 気まずい対処法」というタイトルで、言葉の通り、学校などで他人と気まずい雰囲気になった時の心理について、解説と対処法が面白く紹介されていました。

公認心理師の小高千枝が解説していた中に「情動感染」と「自己開示」というのがあり、面白いなぁと思いました。

「情動感染」とは、その人が抱いた感情が周囲の人に伝染していくことで、他人と二人でいる時に自分が話しづらくて気まずい思いをしていると、その気まずさは相手にも伝染してしまうそうです。

私は広告営業をしていた時、会社の上司から、自分が相手に抱いている思いと相手が自分に抱いている思いは同じだ、と言われました。表面だけ取り繕って笑顔でいても、心の中で嫌っていたりすると、相手も同じように表面的には優しくても実は嫌っている、と。

へえ、そういうもんかなぁとその時は思いましたが、もしかしたらそれは情動感染なのかもしれません。また、ライターとして取材をする時、こちらが緊張していると相手も同じように緊張してしまうのは、これまで何度か経験したことがありました。恐らくこれも、情動感染なのでしょう。

相手も自分と同じ感情を持つことは正確には確認できないし、本当にある現象なのか疑わしいと思っていましたが、学問的な裏付けがある言葉を与えられた思いがしています。

もう一つの「自己開示」は、相手にありのままの自分を曝け出すことで、小高先生は特に弱さや駄目なところを開示するのはコミュニケーションをとる上で大切なことだと言っていました。そうした辺りは、私はいま吉田尚記の『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版、2015年)というコミュニケーションに関する本を読んでいるので、なるほどと思うところがありました。

ちなみに、『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』は「気まずさ」という敵をどうやって倒すか、という課題をゲームのように考える内容で、面白いです。