杉本純のブログ

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決断雑感

良くないのは中途半端

三田紀房『インベスターZ』5巻(講談社、2014年)に、スティーブ・ジョブズの言葉「何をしてきたかと同じくらい、何をしてこなかったかを誇りたい」が出てきて、決断とは「切って離す」ということだと述べられています。

「“何をするか”よりも“何をしないか”を考えよ」、「やらないことを決めよ」などはビジネスの世界でたまに見かける格言ですが、その類いの言葉と考えてよさそうです。
逆に、やりたいことは我慢せず全部やろうぜ、と言う人もいますね。時間とお金が足りないんじゃないかと思いますが、それでちゃんとうまくいっているようなので凄いです。

さて、あれもこれも手を出さず大切なもの以外は全て切り離すのと、やりたいことは全部やるのは、どちらがいいんでしょうか。

私が思う結論は、両者は実は同じことを言っていて、後者は何も切り離すことなく手を出しているように見えるものの、実はやりたくないことについてはバッサリ切り落としている、ということです。思うに良くないのは、やりたくもないことに時間や体力を使い、大切だと思うこともけっきょく中途半端になってしまうことです。自分なりの納得や成果につながるまで徹底してやることが大切で、その対象が複数あるのは別に不味いことではありません。