杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

筋トレと人生の問題

今風の考え方かも

Teststerone『筋トレが最強のソリューションである』(U-CAN、2016年)を読んでいます。日常生活や仕事の調子にテストステロンなどのホルモンが深く関わると知って、手に取った本です。

内容はほぼタイトルの通りで、筋トレが人生のあらゆる問題を解決に導くことを説いた「筋トレのすゝめ」です。1テーマに1ページずつを使ったコラム集のような作り方になっていて、手軽に読み進めることができます。

さて、著者によると、世の中の問題や人生の問題の99%は筋トレとプロテインによって解決できる、とのこと。他の本では99.9%解決できる、とも書いています。なぜかというと、本にはいろいろと理由が書かれていますが、平たく言えば、テストステロンとかセロトニンなどの脳内物質が分泌されて気分が高まるから。そして、筋トレでも解決できない問題があるなら、それが人生の真の問題である、と述べています。

なるほど面白い気がしますが、では「世の問題」とか「人生の問題」とは何かというと、それは人によって様々であり、そもそも定義するのが難しい気がします。

好きな人と相思相愛になれないこととか志望大学の試験が難しいこと、といった私的なことから、戦争や貧富の差がなくならないことや気候変動などまで、「問題」は世の中にも人生にも山のようにある。

それはどれも筋トレでは解決できない「真の問題」だろうと思いますが、そんなのは無数にあり、問題全体の1%にとどまるわけがない。

まぁ、恐らく著者が言いたいのは、筋トレして自分を浄化していけばそんなことは大した問題ではなくなる、ということではないか。問題自体を解決するのではなく、問題に悩む自分を内部から変えることで悩みを消し去る、といったところか。たしかにそうかもしれません。

最近は「ないものねだりをするな」とか「他人に期待するな」といった言説が多く言われている気がしますが、たしかに筋トレは最も身近に「在る」ものを豊かにしていく取り組みと言えるかもしれません。