杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

『退屈すれば脳はひらめく』

今後の一般教養

マヌーシュ・ゾモロディ『退屈すれば脳はひらめく』(須川綾子訳、NHK出版、2017年)を読んでいます。

デフォルトモード・ネットワークやマインドワンダリングに興味があり、いろんな本を読んで、本書に辿り着きました。本書は、スマホからくる膨大な情報に忙殺され、想像力と創造力を発揮できなくなった体験をした著者が、モバイル端末を手放して「退屈」することでそれらの力を取り戻すことを説いた本です。かといって、著者はテクノロジーを否定したいわけではないということは、プロローグに記してあります。

まだ全部読んでいませんが、スマホをはじめとした端末から入ってくる情報や、固定された姿勢でやり続ける日中のPC作業などに起因するテック・ストレスが心身を確実に蝕んでいることは、かねて私も感じていました。デフォルトモード・ネットワークやマインドワンダリングに興味を持ったのもそのためです。

スマホやテック・ストレスとうまく付き合う方法は、これから先、プログラミングなどとともに一般教養の類いになりそうな気がします。

プロローグにこんな記述がありました。

心がさまよっているとき、「デフォルトモード・ネットワーク」という脳の部分が活動しています。この部分は、問題の解決やアイディアの創造と深く関わり、「自伝的プランニング」と呼ばれる活動をつかさどっているところ。それによって、自分が住んでいる世界や人生の意味を理解し、未来への目標を立てることができます。まわりの人の立場を理解して共感することや、道徳的な判断を行うのも、この部分が受け持っています。