杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

減らす

やるなら徹底的に

先日、よく聴いているラジオ番組「ビバ!菊田あや子のエンド・オブ・ライフ」で、「断捨離」をテーマにした話がされました。その番組では、断捨離とは「外から入ってくるものを断つ」、「不要な物を捨てる」、「執着から離れる」と説明されていました。私は断捨離を整理術などに使われる流行り言葉の一種と思っていましたが、そういう意味なら、とてもいい言葉ではないかと思いました。

この言葉はヨガの作法が元になっているらしいです(詳しいことは知りません)。近年、マインドフルネスとかミニマリズムとかがさけばれ、物から離れることがビジネスや生活で重要視される傾向にあると思いますが、たしかスティーブ・ジョブズも禅に興味を示していました。私の実感としては、たしかに周囲に情報が溢れると思考力や判断力が鈍ることがあるので、なるべく身の回りから「情報」や「意味」を退け、沈思黙考するために禅とか断捨離はけっこう有効である気がします。

一方で、本でもフィギュアでもぬいぐるみでも熱帯魚でも、自分が大好きな物に囲まれる楽園があることもまた事実と思います。都築響一の『賃貸宇宙』みたいな。思うに、物から離れるでも物に囲まれるでも、徹底して無駄を排して純度を上げることが肝心なんじゃないでしょうか。

負担になる予定を捨てる

マーク・ザッカーバーグが緑のTシャツを着ていたのは決断を減らすためだったそうで、物を減らすに留まらず、考えること、決めることも徹底的に減らしてみるといいかも知れない。

そこで思うのは、よく新年を迎えるに際して作る「新年の抱負」。あれはある意味で、新年を機に予定を追加する行為で、もともと多忙を極めている人にとっては負担でしかないのではないか、ということ。

一年の予定なんか立てず、むしろ予定を減らしていくことを意識するのも大事なんじゃないかと感じる今日この頃です。やりたいことは自然と出てきてしまうものなので、何か一つ予定を立てるなら優先度の低い予定を二つ減らす、とか。まぁやりたいことは何でもやる方が良いと思いますが、それが心身の負担になってしまうようなら、それはすでに優先度の低い捨てるべき予定ということでしょう。