杉本純のブログ

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新年の抱負雑感

新年を迎え、「今年の抱負」を述べる人をテレビやTwitterなどでちょくちょく見かけます。「一年の計は元旦にあり」じゃありませんが、年始にその年の目標を立て、実行していくことは多くの人の習慣になっているのかもしれません。

一方で、年始に立てた目標なんてどうせ一か月もすれば忘れてしまい、いつものように仕事に追われて忙しない毎日を過ごすことになる、そしてまた次の年の始めに同じように目標を立て、それもやはり、やがて忘れてしまう、ということもまた多く言われています。実際、多くの人がそういう結果になるんじゃないかと思います。

正月は多くの人が休みになります。だからいつもより少しは心が落ち着いていて、気持ちに余裕もあって、今年はこんなことをやりたいな、というような目標を立てる気にもなるのでしょう。けれどもなかなかどうして上手くいかない。仕事が始まるとそんな目標はどこへやら、忙しい日々の中で早々に頭から消えてしまい、文字通り一か月もすれば忘れてしまうのだと思います。

それは考えてみればごく当然のことだと思います。休日であれば気持ちに余裕があるので、大きなことを想像しがちになるだろうからです。きっと、その時の自分からするとかなり高いハードルを用意してしまい、忙しい中ではそれを超えるのが難しく、達成をずるずると引き延ばしたあげくすっかり忘れてしまうのだと思います。

ちなみに私は昨年、文学フリマに出品すること、小説で1円以上稼ぐこと、を目標に取り組みましたが、これは5月の文学フリマ当日に二つとも達成できました。実を言うと、その二つのハードルは超えるのはそんなに難しくないだろうと最初から思っていて、まあやってみたら割と大変ではありましたが、無事にやり遂げることができました。自分にとって高難度なハードルを設けるのは、実現が難しいうえに実現できなかった時に自己否定と自信喪失に陥ってしまう可能性もあり、あまりお勧めできません。

人間は年初に一年の目標を立てなくてはならないわけではないので、立てたくない人は立てなくてもいい。心身の負担になってしまうのなら、その目標はその人の人生にとってマイナスになってしまっているという他なく、そんなものはない方がよほどいい一年になるでしょう。

もし、今の自分と人生を変えたいという渇望があり、何らかの目標を立てて実行に移したいと思うなら、これならまずできると自信を持てる、かなり低めのハードルを用意してそれを着実に実行するのが良いと思います。小さな目標でも達成することで次の目標に近づくことができ、自分に自信も持てるからです。