杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

扉は開くか、開けるのか。

レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉に「幸運の女神が来たら、迷わず前髪をつかめ。後ろ髪はないのだから」というのがあったと記憶するが、これは機会を逃すことなく捕まえろ、といった意味であり、人生を積極的に前進させようとする態度のように思える。

一方で、好きなことを一生懸命にやり続けていたら、人生の扉は向こうから勝手に開く、という類いの言葉もしばしば耳目に触れる。趣味でブログを書き続けていたら出版社から声が掛かり書籍になって、作家の夢がかなった、というような実例とともに聞くのである。

扉は向こうから開くのか、こちらから開けるのか。きっと、無理にこじ開けようとせずとも、いつでも扉の向こうに行く心の準備だけはしておいて、ノックしたりノブをひねったりすることが大事なんだろうな、と思う。長年にわたり物書きワナビをやっていて、そんな風に思うのである。扉はいつでも開く可能性を秘めているが、簡単には開かない。開けようと努力し続けるしかない。なかなか開かない。死ぬまで開かないかも知れない。けれど開く可能性は依然としてあり、諦めたらそこで終わりなのである。