西野精治『スタンフォード式最高の睡眠』(サンマーク出版、2017年)を読んでいる。初版発行から四か月余りで19刷になっているので売れたのだろう。プロローグに「睡眠とは最強の味方であり、敵に回すと最悪な恐ろしい相手」とあり、なるほどそうなのか…と思った。
思い返すと、私は特に学生時代にかなり睡眠を敵に回していたような気がする。社会人になってからも、けっこう敵に回していたように思う。本編の最初には「睡眠負債」のことが出ているが、睡眠が足りていない状態が続くことによる体と脳へのダメージには相当なものがあるらしい。また同様に最初の方に、11日間も寝なかった高校生の話が出てくるが、そのチャレンジの後半の方では、ろれつが回りにくくなり、言い間違いが増えた、などとある。これらは私自身、疲れていると感じている日にはけっこう起こることで、不味いなぁと思った。
本書には日本は「睡眠偏差値」が世界一低い、とあるが、睡眠を敵に回してしまっている人は私の周囲にけっこういる。ゼミの先生だった人は団塊世代だが、一週間くらい寝なくたって平気、と豪語していたし、社会人になってからも同じようなことを言う人や、実際に寝ないで仕事をしている人もけっこういる。
一方、ショートスリーパーも実在するそうなので、睡眠の量だけで考えてはならないだろうし、それは本書にも書いてある。とはいえ、私もそうだったし、周囲にいた人もそうだったのだが、睡眠時間を減らしていた人はおおむね短気でいつも機嫌が悪く、すぐカッとしていた。根性とか気合いで乗り切ろうとするところもあったように思う。