過去にずいぶんお世話になった恩師と絶縁状態になりました。
師弟関係というのは難しいもので、普通の友人・知人の関係とは異なり、場合によっては愛憎の念が激しくなってしまう気がします。
落語家の立川談四楼は、落語界の師弟の濃厚な関係を精神的なホモセクシュアルと評したそうですが、そういう、恋愛めいた関係にまでなってしまった仲なら、時に愛憎も大きくなるでしょう。
絶縁状態になってしまったのは残念といえば残念ですが、まぁしょうがないという気もします。人間関係は、やっぱり距離感が大事ですね。「小人の交わりは甘きこと醴の如し」という言葉がありますが、言いたいことをなんでも言い合ってしまう、ベタベタした関係はやはり健全とはいえないように思います。そういう関係では感情が理性に勝るようになり、小さな不満が大きな怒りや憎しみに発展するのです。
要するに、私も恩師も小人だったということです。
私には長続きしている人間関係はほとんどありませんが、今も続いているわずかな関係を見ると、距離感をうまく保てているからこそ続いているように思えます。
相手の領域には安易に踏み込まない。拒まれているようならそれ以上は触らない。それは人間関係を維持するうえで当たり前のことのはずですが、往々にしてできなくなるのが人間なのでしょうか……。
約6年も前に、こんな記事を書いていました。……成長していない証拠ですね。