杉本純のブログ

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ブレイク・スナイダー『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』

ブレイク・スナイダー『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』(菊池淳子訳、フィルムアート社、2010年)を読みました。

本書の初版は2010年10月ですが、私が購入したのは2024年8月発行の第18刷です。年1回以上の増刷をしていることになるので、ロングセラーといえるでしょう。

内容の詳細は省きますが、要するに、タイトルのとおり脚本術の本です。今回読んで、かなりためになりました。

語り口は軽妙です。しかし、読者に対し、売れる脚本の法則やルールを守るよう要求する箇所には、厳しさを感じます。私のこれまでの読書経験からすると、小説の書き方本はリベラルというか、書きたいことを自由に書こう、といった内容のものが多いですが、脚本術の本は、この点をちゃんと押さえろ、といった保守的な傾向があるように感じます。

私はずいぶん前に脚本を書かなくなり、今は小説を書いていますが、この本は小説の創作にも役に立つと思えるところがあって、もっと早くに読めば良かったと思っています。

とはいえ、以前の私がこの本を読んでも、法則やルールの徹底を読者に求めてくるのが嫌で、内容を受け入れることはできなかったでしょう。それほどにかつての私は、意味もなく自分にこだわり、人の助言を受け入れない頑迷な男だったのだと思います。