築山節『フリーズする脳』(生活人新書、2005年)を読んでいる。本書には「思考が止まる、言葉に詰まる」という副題がついていて、私自身がそういう経験があるので内容にはかなり興味があった。そもそも私は築山先生の『脳が冴える15の習慣』や『脳と気持ちの整理術』を読んでいたので、その流れで本書も入手したのだが、その三冊の中では本書が最初に出た本である。
各章とも、高次脳機能の低下のさまざまなケースを紹介しつつ、その対処法を述べる内容になっている。第二章は「『まあいいや』が人をボケさせる」で、中に「頑固になっている人は要注意」という見出しがあって、私自身もけっこう頑固なところがあるので気になった。
築山先生によると、頑固になると感情的になりやすい、変化に対し冷静になれずNO!を言ってしまうのだそうだ。ただし、さまざまな立場から柔軟に考え、その上で自説の正しさを主張しているが周りがそれを推察できないので頑固者に見られてしまっている人もいるだろう、とも述べている。要するに、柔軟性を欠き、自説に固執して感情的になってしまう人は危ない、ということだろう。そういう人は、少なくないなと感じた。
私は、スマホを持つのが周りに比べてかなり遅かった。今は持っていて、それなりに便利に使っているが、未だにスマホがなきゃいけないとは思っていない。しかしガラケーだった頃、周りの人には、古い、遅れている、といった見方をされていた。しかし私は極めて冷静で、たしかに流行には疎く、古い奴だと馬鹿にされるのは仕方ないが、乗り遅れて正解であることもあるだろうと思っていて、まあ馬鹿にしたい人にはさせておこうと思ってもいた。
一方で、新しいものに親しまない奴は馬鹿だ、みたいに思っている奴の方こそ頑迷なのではないかとすら思った。これまでに、私がスマホを持っていないのを馬鹿にする人(というか、軽蔑の視線を向けてくる人)がいたが、その人から、新しい機器がどうしていいのか、必要なのかについて、納得できる説明はしてもらえなかった。単に古い=ダメ、新しい=イイと考えていたとしか思えない。だから、流行に敏感な人でも頑固、というかある種の思い込みに縛られているということはあると思う。まぁ私も逆に、流行を追いかけるなんて馬鹿だ、といった態度を取っていたことがあり、それはそれで頑固だったと思っているのだが。