杉本純のブログ

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口先だけの人

こないだ、連合赤軍の元メンバーの現在を取材したNHKの特集番組を見た。

その中で、元メンバーの一人が、当時の自分たちが思い描いて信じていたのはただの幻想に過ぎなかったのではないか、などと言っていて、私は、まぁそうだろうと思った。

私は学生運動とか連合赤軍などを詳しくは知らないのだが、かつて学生運動をやっていた人なら知っている。そして私はその人を、思い込みの激しい単なる馬鹿、と結論づけている。連合赤軍の元メンバーの言葉に対し「まぁそうだろう」と思ったのは、その人への思いと重なったということだ。

その人は、政治家や大企業の経営者への批判をよく口にするが、ただ言葉で言っているだけで、政治や経済を良い方へ変えていこうとする活動も努力もしていない。その人の言わんとするところに耳を傾けると、要するに、今の世の中は良くない、昔は良かった、と言っているだけであることが分かる。俺は正しい、俺は昔はすごかった、という風にもよく言う。

口先で偉そうに語っているだけで行動はゼロ。偉そうに話す相手は、自分よりも立場が下の人であり、私もその一人だった。私は少なからずその人に影響されてしまい、政治家は馬鹿だだの、大企業の経営者なんて金儲けが巧いだけの大したことない奴だだのと、わかった風な顔をして口走っていた。

しかし、勉強するにつれて視野が広がり、その人の言っていることに納得できなくなって口論したり喧嘩したりなどして、次第にその迷妄から脱していったが、それ以前の自分を思い返すと、なんちゅう馬鹿な奴だったんだと忸怩たる思いがする。

口先だけの人になってはいかんと、強く思うのだ。