杉本純のブログ

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ものさし

ようつべで何気なくビジネス動画を見ていたら、ある社長が、何事も最後は自分の中のものさしで測れ、というようなことを言っていた。

これはまったく同感で、他人の意見に参考程度に耳を貸すのは良いが、最後は自分の腹に落ちる判断をしなくてはならない。ところが、お人好しとか自分に自信がない人は、しばしば他人のものさしで物事を測り、判断してしまう。私の二十代の頃はまさにそんな感じで、自信たっぷりの人に心酔してくっついていたし、その人の価値観を自分の価値観にして、それにそぐわない人を小馬鹿にしたりしたものだ。

今はいくらかマシになったと思うが、それで感じるようになったのは、かつての私とは逆の、自分のものさしでしか物事を測れない人が世の中にはいるということだ。自分と他人が違うものさしを持っているのは当然だが、他人には他人のものさしがあることを理解できない人がいるのである。

自分が良いと思ったものは他人も良いと思うと思って疑わない。良くないと思う場合も然りである。そういう人におおむね共通するのは「自分大好き人間」であることで、自己陶酔的でもある。

思えば私がかつて心酔していた相手はそういう人だった。自分のものさしでしか物事を測れない人と付き合っていけない。心身ともに消耗してしまうから。