杉本純のブログ

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経験論的資本論の断片

自分の事業を持っていない人は他人の事業を手伝うことになる。往々にして。

日本の資本主義社会の中で生きてきて、漠然とながらそんな風に感じた。事業とは要するに「仕事」であり、それはビジネスとか企画とか、あるいは志とか、色んな言い方ができると思う。

仕事とは労働をして対価を得ることで、労働とは価値のない事物に価値を与えることだと思うから、何らかの、他の人には作れない価値を見出すことができれば、労働と仕事を生み出すことができ、ひいてはお金を得ることができるはずだと考える。

そういう社会の中に私たちは生きているので、価値を生み出して対価を得る「仕事」を持っていない人間は、他人が作った仕事に自らの労働を捧げることになるだろう。経験から、そんな風に思う。

会社勤めをしている人は、今の会社をそろそろ辞めたいなとか、今度のキャリアをどうしようかな…などと考える際、そもそも自分は会社勤めを続けたいのか、独立して自由にやりたいのかどっちなのか、という根本的な疑問が浮かぶこともあると思う。そういう時は、自分は自分の「仕事」を持ちたいのか、他人の仕事を手伝うことが好きなのか(向いているのか)を考えてみると良いと思う。会社勤めなんてイヤだ!と無闇に独立しても、自分の仕事がないならそれは他人の仕事を手伝って金を稼ぐしかないわけで、そうなると会社勤めをしている方が色々と有利だったり楽だったりするから。