杉本純のブログ

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永遠に続く道

私は精神論とか根性主義というのが苦手で、というのは、それを信奉すると自分の義務が無限になってしまうからである。

例えば仕事の中で、業務は言われたことだけやればいいんじゃない、とある人から言われたことがある。しかし、では具体的に何をやればいいかは言ってくれず、察するに、つまりは仕事やお客さんに愛情を持て、とか何とか言いたいようなのだ。

仕事に愛情を持つことは否定しないが、仕事には愛情がなくてはならない、と強要してくるのは精神論の一種だと思われ、許容できない。論理的には、言われたこと以外のこともしなくてはならないなら、仕事は無限になる。百個の指示を与えられてそれに対応したとしても、さらにそれ以外のこともしなくてはならないのだから当然である。

根性主義者や精神論者は長時間労働や深夜残業を厭わないが、それはつまり精神的に満足感を得るまで仕事が終わらないからである。つまり答えがない世界でずっと働いているわけで、永遠に続く道を歩き続けているのである。藝術じゃあるまいし。こういうのはどうも苦手である。