ようつべで大原扁理『年収90万円でハッピーライフ』(ちくま文庫、2019年)を知り、さっそく読んでいるのだが、前半で強く共感する箇所があった。
英語は本当に好きだったから、家じゃテレビを副音声(英語)にして家族にウザがられ、イギリス人のAET(英語指導助手)に休み時間まで金魚のフンみたいにまとわりついてウザがられ、友人の友人が帰国子女だと聞けばわざわざ英語のメル友になってもらってウザがられ。ものすごく好きって傍から見たらウザいんですよね。でも周りにウザがられたことの中に、意外と才能が隠されてたりするのかもしれません。
才能とは継続する情熱だと思っているが、継続して深化させていくと、共鳴しない人からはドン引きされる。大原の言う通りである。
そのことは私自身、実体験を通してよく知っている。とことん好きであることは、他人からすると往々にして気持ち悪く、ウザく、ドン引きものなのである。逆に言うと、他人がドン引きしない程度だとしたら、その「好き」は大したことないのだろう。好きで好きで仕方がないということは、もう常識や一般感覚を突き抜けているということだ。
だから当人は自分の感性を一般の尺度では測れていないし、それに夢中になるあまり他人の評価も忘れて陶酔している。要するに変態ということで、だからしばしばドン引きされ、キモがられ、ウザがられるのである。
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