杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

HSPと甘えん坊

こないだから読んでいるRyota『まわりに気を使いすぎなあなたが自分のために生きられる本』(KADOKAWA、2021年)。その第2章「HSPさんの悩みを解く6つのカギ」に、「甘えを」が万すると憎しみに変わる」という見出しがあり、考えさせられました。

 甘えを我慢しすぎると、物事を否定的にとらえがちになります。「どうせ誰もわかってくれない」「自分だけが苦しんでいる」と思い、他人を敵だと思うからです。
●わかってくれない皆が悪い
●行動しない会社が悪い
●働きづらくしている国が悪い
 問題はどんどん大きくなります。こうなるとアドバイスも届きません。子どもが駄々をこねているのと同じ感覚です。子どもなら親が考えて助けてくれるかもしれませんが、年齢とともにあなたを助けてくれる人は減っていきます。

私の身近なところに、自分に都合の悪いことがあると何でも他人のせいにする他力本願者がいます。自分は世の中から虐められている、今の社会はいかん、国はひどい、大企業は金儲けばかり考えている、あいつ(政治家とか大企業経営者とか)は悪い奴だ、などなど。とはいえ、その意見?は根拠に乏しく、聞いたこちらが納得できるようなものではありません。そして、とにかくよく不機嫌になり不満や悪口や文句を口にしていますが、それを改善するための行動を起こすことはありません。

その人を私はこれまで、単に幼稚な人だなと思っていただけですが、Ryotaさんの本の上記箇所を読み、もしかしたらHSPの気質の持ち主かもしれない、と思うようになりました。

幼稚であるというのは間違っておらず、つまり、他人や組織や社会や国に甘えたい気持ちが強い「甘えん坊」なのではないか。けれども他人を優先しすぎるあまり他人に素直に甘えることができず、ストレスを溜めてしまい、やがて憎しみを抱くようになる、ある時それが爆発して罵詈讒謗が飛び出てくるのではないか。

一方でその人は、ときどき茶目っけたっぷりの言動を見せて周囲を和ませることがあり、愛すべき一面も持ち合わせています。また、高度な論理構成力や鋭い感性を示す場面もあり、有能な人だと思わせる一面があるのも間違いありません。

それらを考え合わせると、その人はHSPなのかなと思えてきます。何でもHSPと結びつけて考えてしまうのは良くないですが、甘えとHSPは、幼稚で困った人を理解するキーワードになり得る気がします。