杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

要素還元主義

こないだある本で「要素還元主義」という言葉を見つけた。これは複雑な物事を細かい要素に分解し、その一部のみを理解すれば複雑な物事全体を理解できるはず、と考えることであるらしく、自然科学において生命などを考える方法のようだ(よく分からん)。

さて、私はこの言葉にピンと来た。私は、仕事とか生活における諸問題を理解して改善するのになるべく問題を細かく分解する癖があり、小問題を一個ずつ解決していけば大問題も解決できると考える。これは本来の意味とずいぶんズレがあるようだが、私は本を読んで、ほぉ、俺はもしかしたら要素還元主義者かも知れんなと思ったものだ。

実際、例えば会社の現場で起きている問題などを、いくつかの要素に細かく分解して解決しようとするのを要素還元主義的だと言うことがあるようだ。

しかし、労働やビジネスの問題を要素還元的に考えるのは批判される傾向があるようで、どれだけ細かく分解したところで全体の解決にはつながらんぞ、という言説もあるようだ。たしかに、組織がちゃんと機能していない問題を細かく分解し、小問題を一つずつ解決していったとしても、それで組織が良い方向へ行くとは限らない。計算やうわべだけの対処では効果が出ないことがある。

そんなことは分かっているのだが、会社という組織には派閥があればマウンティングもあり、精神を磨り減らしたり、自分を見失いそうになったりすることが多い。そういう場面にあっても自分を失わず、まともであり続ける上では要素還元主義は効果があると思うのだ。