杉本純のブログ

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モデル思考

生活や仕事などの中で起こる問題を解決しようとする時、たまに「モデル思考」を使っている。これはけっこう効果があると考えている。

例えば、会社の中で起きる問題を考える時、会社を一隻の船として考えてみる。会社という組織は、人が集まって事業をして、お金を稼いで資産を増やし、大きくなっていく。これを船というモデルを使って考えるとすると、船を用意した船長は複数の乗組員を入れ、働かせ、燃料や食料を補給し、目的地である島を目指して航行する、といったところか。

社内の人間関係の問題は乗組員同士の間で起きる問題に例えられそうだし、会社の理念や計画は、船長の理想や目指す島に例えられそうである。会社という船の乗組員になるなら、目指す島に航行するために自分は貢献できそうか、船長の理想に賛同できるか、などと考えれば問題を整理しやすくなりそうだ。

他に私は、ライターが取材の際にレコーダーを使うべきか、という問題について考えさせられた時(妙なことだが、世の中にはライターはレコーダーなど使うべきではない、という人がいるのである)、タクシー運転手をモデルとし、ドライビングテクニックは一流だがシートベルトもエアバッグも用意しないでいいと言うドライバーが運転するタクシーに乗りたいか、と考えたら、論点をだいぶ整理することができた。この場合、レコーダーは安全装置や安全対策の意味を持ち、シートベルトやエアバッグに例えられる。ドライビングテクニックは、メモを取る技術である。いかに技術が優れていても、トラブルを完全に免れることはできないので、安全装置は必要である、ということ。

また、お客さんの満足を得るのに重要なのは商品の品質か、接客態度か、といった問題を考えた時は、料理は美味いが接客態度が悪いレストランは継続できるか、とモデルを使って考えたらこれも論点を整理できた。

問題をそのまま受け止めて考えるとさまざまなファクトが絡んでくるし、特に自分が直接関わっていることだと客観視できなかったりする。そういう時などに、モデル思考は論点を整理するのにかなり使えると思うのである。

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