杉本純のブログ

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「確信犯」「雨模様」…

11月に発売された『岩波国語辞典』の8版では、「確信犯」や「雨模様」の、従来は誤用とされていた表現の仕方が誤用ではなくなったとのことである。それまで誤用とされていたのは、「確信犯」であれば「悪いとは知りつつ(気軽く)ついしてしまう行為」で、政治犯・思想犯という意味が正しいので誤用とされてきたが、それが8版では明確に誤用とはされなくなった。「雨模様」は、雨が降っている様子を指して使うのは誤用とされてきたが、これも8版では「確信犯」と同様に許容する方に傾いている。他にもいろいろあって、「いさめる」「至上命題」「役不足」の誤用についてはまだ許していないらしい。

言葉は使い方が時代の流れの中で変化するらしく、「だらしない」は元は「しだらない」だったらしいし、「魚」は本来「うお」や「ぎょ」と読み「さかな」とは読まかったが「肴」が主に魚だったから「さかな」と読むようになったとか、しばしば耳にする。

弁舌の巧みな人というのはいるが、誤用しない人というのは多くはいない。私もしばしば誤用する。また私は仕事も含めて多くの人と話す機会があるが、上に述べたような誤用しやすい語や正誤判定の微妙な語も本来の意味で正しく使っている人に会うと、ああこの人は教養がある人だなと感心する。

上に述べた「至上命題」の他、「敷居が高い」「~ありき」などの誤用は私の周りで後を絶たないが、「至上命題」についてはこんどから思い切り指摘してやろうかな。