杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

創作雑記4

小説を書き続けて十五年以上が経つが(処女作を書いたのはもっと前)、どうにも克服しがたい悪癖というか難関がある。期限を設けずだらだら書き続けてしまい、出来映えに満足できないまま直して直して直し続けてついに完成させられず挫折する、というもの。

とにかく終わりまで書くこと。というのは小説の書き方本などでよく書かれている。終わりまで書けば、できあがった作品の欠陥が分かり具体的に直していけるが、ひとまずできあがらなくては直しようがない、といったことが言われる。

私自身、書き方本に納得して、まずは終わりまで、と奮起するのだが、これが終わらないのだ。だらだら書き続けて終わりがいっかな見えてこず、いつのまにか抛り出していて最初からやり直したりしているのだ。これは、ストーリーの因果関係の結び方に欠陥があったことに後で気づいたから、という情けない原因もあるのだが、それ以外にも、もっとこうした方がいいんじゃないか、という浮気心が起きて振り出しに戻ってしまうこともあるのである。

これではいけない。とにかく最後まできちんと書くことが大切だ。そのためには、期限を設けるのが良いと思う。

ビジネスの世界などでも、まず明確な目標を定めて、期限を設定して、具体的な計画を立て、迅速に行動する、といったやり方が有効だと言われるが、小説という藝術とて例外ではないと思う。

完成していない大作よりも、完成した凡作の方が価値があるのだ。それで凡作の凡作たることを正面から受け止め、惨めで情けない思いを味わう方が大作に近づくことができる。

まず小説の構想を固める。どんな話にするか。そして内容に基づいた期限を設ける。そしてそれを元に現実的で実現可能な計画を立て、後は実行するのみだ。その期間中は、何としてでも目標の達成を第一に考えること。そうすれば、必ず作品は書き上がるだろう。(……私自身に言っている)