杉本純のブログ

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いわゆる「ブレる」人

指揮命令系統の上に立つ人の責任は重い。その人が出した指示によって、下にいる人が実際に動くからだ。だから私は、組織を束ねるリーダーが、いわゆる「ブレる」ことはあってはならないし、協力業者に発注するクライアントが支離滅裂な一貫性のない指示を出すのも悪いことだと思っている。もっともこれは、指揮命令系統とか組織とか堅い世界の話だけではなく、親が子を育てる際などでも同じことだろう。

しかしこの「ブレる」人、けっこういる。私は会社勤めをしていて、上司にせよ顧客にせよ、色んな人から指示をもらう場面があるが、「ブレる」人からの指示はとにかくストレスが大きい。うんざりだ。

とにかくいつでもああでもないこうでもないで言うことが首尾一貫しておらず、素直に聞いてそのまま仕事をしても「やっぱりこうしてくれ」言われやり直さなくてはいけなくなったりする。さらに始末が悪いのは、そういう人は、命令を聞く立場にいる人にはいつでもいくらでも対応する義務があると思い込んででもいるようで、予定変更や方針転換ややり直しを平気なツラして言ってくるのだ。

こういう人におおむね共通しているのは、自分の考えというものがないことだ。自分がさらに上の方から聞いたことを、咀嚼せずそのまま下の方へ伝えるだけの伝言係でしかない。受け取る側のことを考えず言われたままを伝えるだけなので、下の人がどれだけ迷惑していようがお構いなし。上の人から言われたことをよい形で達成するにはどうすれば最も良いかを考え、そうなるよう下の人を含めて上手く導いていくことが大切なのに、そういう自らの役割をてんで理解していないのだ。

こういうお馬鹿な人は指揮命令系統の上に立つべきではない。命令を聞く者に長時間労働を招くだけでなく、心労の種にもなってしまう。