杉本純のブログ

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自分を救うのは自分

たしか美輪明宏さんが『人生ノート』(Parco、1998年)でそんなことを書いていた。近ごろ、その言葉を肝に銘じておかないとなと感じることしきりである。

自分のことは他人の方がよく知っているなどということがあるが、けっきょく自分のことを最もよく知っているのは自分だろう。人間、生まれてから死ぬまで片時たりとも離れずに過ごすのは自分の躰と精神だけである。他人の方がよく分かるといっても所詮は部分的であり、全体を通して分かるのは自分しかいない。むろん何かに心を奪われて自己を客観視できなくなることはあるだろうが、その弱さを背景を含めて他人が指摘できたとしても最後は自分自身で気づき、決断し、前進しなくてはならない。

他人に救ってもらおう、理解してもらおうなどと思うのは依存的だろう。そうやって自分の身の処し方について他人に依拠していると、上手くいかなかった時に他人を恨むことになってしまう。何でもかんでも自力本願でやらなきゃいけないわけではないが、独立自尊の精神を失ってしまってはいけないと思う。