杉本純のブログ

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重度「自分病」者

年上なのに自分より幼稚で身勝手な人を見ると、ああ自分はこうはなりたくない、いやなってはならないと思う。

どれだけ年齢を重ねても、幼稚さと身勝手さが抜け切らない人というのはいる。自分が世界でいちばん聡明で物事をよく理解していて、誰よりも正しいと本気で思っているらしいのである。謙虚で冷静で、結果として常に正しい言動をしているのならまだしも、頭は熱く、特に根拠もなく他人を馬鹿にし、権力を持つ人や企業をただそれだけの理由で嫌い、裏では悪いことをしているなどと陰謀論めいたことまで口にする。それも当然、根拠などないことなので、ややもすると名誉毀損になってしまうのだが、当人は自分の発言の問題に気づいてすらいない。

悪いのは政治家、大企業、資本主義…。自分の現在の境遇に不満があるものの、自力で何とかしようという考えはなく、行動もせず、被害者づらして不平不満を垂れ流す。私だってそれを感じることはあるし、政治家や企業が不祥事を起こすことはある。資本主義の構造に欠陥があることも分かるが、自分の現在の状況が思わしくないなら自力でできるところから改善していくしかないだろう。それで生活を少しでも心地よく、快適なものにしていけばいい。

ところがそうは考えず、行動もしない。どうやら、世間も他人も、自分のために何かしてくれるものと思っている。自分は他人に色々と世話してもらって当然、とでも思い込んでいる節すらあるのだ。

これはもう、かなり重度の「自分病」ではないだろうか。セルフイメージがあまりにも大きくなってしまい、現実とのギャップを埋めるために努力するのではなく、逆に周りが馬鹿で悪いと思ってしまうのである。深刻である。