杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

「継続する力」雑感

「才能とは持続する情熱」はモーパッサンの言葉らしいが、いつそう発言したか、あるいはどの本で述べたことなのかわからない。またこれに似た言葉で、「継続は力なり」がある。いずれも、続けることでいつか花開く、といった意味になる。

私は手書きの日記をもう二十年近く、中断しつつ書き続けていて、このブログも今年の三月にオープンさせて毎日更新し、200記事に到達した。

これだけ長いこと続けてきたのですっかり習慣化していて、面白いことがあるとこれはブログネタにしよう、とか、このことは日記に書き留めておこうとか考える。そのアンテナの感度たるや、今やかなり鋭敏になっており、散歩や読書をしていればブログネタやツイートネタが天から降ってくるようにぽんぽん思いつき、実際にどんどん書けてしまうのだ。これらは「才能」のなせる業だと、あるいは言えるかも知れない。

しかし、ときどき思うことがある。継続する力はあるはずだけれども、果たしてこれ、いつまで続けて、最終的に何かにつながるだろうか…。

正直に言うと日記もブログも、馬鹿みたいにひたすら文を書き綴っているだけで、この先さしたる実りも得ないまま終わってしまう可能性も十分にある。とりたてて内容がすごいわけでもないので、後世に残ることもないだろうなと思う。

では何のために書き始めたのだったかと振り返ると、日記は作品の素材にする「記録」であり、ブログは作品を発表する「場」である。どちらも最終目標は「作品」にあるのだが、そっちの方はさしたる成果が出ておらず、それどころか、いつしかどちらも継続すること自体が目的化してしまい、今に至っている気がしないでもない。

こういう時ほど、これまで積み上げてきたものを否定してしまいがちになる。果ては、せっかく長いこと続けてきたことを台無しにしてしまったりする。

だから、継続している過程にあって、決して当初の目的を見失ってはいけない。そして、遅くてもいいから、一歩ずつでもその目的に向かって進まなくてはならないと思う。