杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

内向型人間の生き方と働き方

具体的なステップとツール

堤ゆかり『もう内向型は組織で働かなくていい』(世界文化社、2020年)を読みました。著者は内向型コンサルタント・心理カウンセラーで、本書は、内向型の気質を持つ人に向けた、組織で働かなくてもいい道を案内するものです。

「内向型」に向けた本というと、私は本多信一さんの本が思い浮かびます。内向型人間はHSPと重なるところが大きいと思いますが、私自身がその傾向を色濃く持っているので、勉強のためにほとんど手当たり次第に読んでいます。

本書は本多さんの本ほど啓発寄りではなく、組織に属さず生きていく術を、ツールの紹介を交えて具体的に述べています。本書によると、内向型にとっての理想的な働き方は、自分の強みを活かせるフィールドで仕事を選ぶことにあります。そのフィールドとは、「好きなこと」「役に立てること」「求められること」の三つが重なるところであるらしい。この考え方は自らのキャリアを“will(やりたい)”、“can(できる)”、“should(求められている)”の三つで考えるフレームワークと酷似しており、内向型に限らず活用できるものです。

上にも書きましたが、本書では組織に依存せず生きていくためのステップがツールとともに具体的に案内されており、その点が優れていると感じました。私の知人は、組織に属さず生きる道を選んだものの、かなり性急に組織を抜け出してしまったため、最初は仕事がなくて苦しかったようです。本書で述べられている考え方とツールをきちんと活かせば、ステップアップがかなりスムーズになると思います。