杉本純のブログ

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お酒のはなし

あるスナックのマスターの話

コロナ禍になって生活はいろいろと変化しましたが、その一つに酒との付き合い方があります。

以前は他人と酒を飲む機会がけっこうありましたが、コロナ禍以降、それが皆無に近い状態にまで減りました。オンライン飲み会に参加したことはありましたが、あれは世間一般と同じように周囲でも、面白くないと言われ廃れて消えてしまいました。

飲酒スタイルの変化にともない気がついたのは、自分がそこまでお酒が好きではなく、飲み会が好きでもなくて、飲み会をしなくてもとくだん困らない、ということです。ただし、お酒を飲むこと自体はべつに嫌いではないのですが、それは自分の好きなスタイルで飲み、軽く気持ちよくなる程度でいいのです。けっこう微妙ですね。適量を超えてしてしまうと、理性が崩れてきてよくない結果につながるし、あるいは翌朝になっても頭痛や酔いが続いてしまって後悔する羽目になります。つまり、お酒は適量である限りにおいて、人生の良い友だと言えそうです。

以前、スナックのマスターにインタビューしたことがあります。そのマスターは、うちでは酔っ払いはお断りするようにしていると言っていました。お酒を提供する店の人が言う言葉としては意外ですが、あくまで楽しく気持ちよくお酒を飲んでもらうのがそのマスターの考えでした。つまり、自分を見失うまで飲むのはよしとしないということです。「人間が人生の失敗をする時は、だいたいお酒が入ってる」とそのマスターは言っていました。聞いた私は深く納得したものです。