杉本純のブログ

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お金のはなし10 マネーリテラシー

先日、ふるさと納税について複数の人に体験談を話す機会がありました。せっかくだから私が話すだけでなく、皆にも話題を振ってみようかなと思い、ふるさと納税をやったことがある人はいますか? と挙手を求めたのですが、数十人いた中で手を挙げたのは一人だけでした。

ふるさと納税は、返礼品に美味しい食べ物をもらうもよし、日用品などをもらってストックするもよし、でやらない手はないと思う制度ですが、意外とやっている人は少ないようです。少なくとも私の周りでは。

聞くところによると、日本人のマネーリテラシーは先進国の中で低いそうです。金融リテラシー調査(2019年)の結果、家計管理、金融取引、経済、保険、資産形成などの問題に対する正答率が軒並み半数程度だったらしく、外国に劣る水準だったとのこと。その問題を紹介していたようつべ動画があったので見てみたら、私は全問正解できたので少し安心しましたが。。

コロナ禍が出てくる前のこと。飲み会をしていた時、自分は株式投資をしている、と私が話したら、俺は株だけは絶対に手を出すなと親に言われたからやっていない、と一緒に飲んでいた人から言われました。その人は私と世代が近い人で、従って恐らくその親は戦後の経済成長を体験した人であるはずです。株などに投資しなくても給料は上がり、頑張ってさえいれば豊かになっていった人なのかな、と思いました。また、絶対に株に手を出さないということは、なるべくリスクを取らず、堅実に着実に、日々真面目に働くことを美徳としていたのかも知れない、などと想像しました。

もちろん私の周囲には株を買っている人もいるにはいます。しかし、落ちる前に売り逃げるだの、売るタイミングを失して数百万円損しただの、ギャンブルめいた投資の仕方をしている人ばかりで話が合いません。

私より年下のある人は保険会社の個人年金を契約しているそうです。どんな商品なのかは聞いていませんが、私は会社員なら国民年金と厚生年金があってあとはiDeCoをやっていれば十分じゃないかな、と思っています。他にも子供のために学資保険に加入している人がいましたが、生命や火災など代表的なものを除いた用途別の保険商品は基本的に不要、というのが私の考え。

こんな具合で、お金に関する話題は周囲の誰とも考えが合わず、独自に勉強して家計を最適化する日々です。私は自分に十分なマネーリテラシーがあるとは思っていませんが、少なくとも周囲の人たちがお金を正しく使っているとは思えず、というよりその使い方に共感できず、考えが合う人とお金について情報交換してみたい、と思うことがよくあります。

考えが合う人は、もしかしたら案外近くにいるかも知れません。ですが、知り合う機会も話す機会もない。もしかしたらそういう孤立無援の状況そのものが、日本人のマネーリテラシーの貧困さを表しているのではないか、と考えることがあります。