杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

レファレンスは探偵

福本友美子作、たしろちさと画『図書館のふしぎな時間』(玉川大学出版部、2019年)を読みました。私は図書館勤務のレファレンス係を主人公にした推理小説を書いたことがあったため、この本のタイトルを見た時、自分が書いた作品との類似性を感じて手に取りました。

母親と一緒に上野の国際子ども図書館に女の子が、本の中に住んでいる妖精に会い、その妖精に連れられて図書館を探検する話です。国際子ども図書館の特色と魅力を紹介する内容になっています。

妖精が紹介していく中で、図書館のレファレンス係が登場します。子供の頃に読んだ本のことを忘れてしまった大人から、その本に関する思い出を聞き出し、目的の本を探し出す仕事として、紹介されます。「ゆりか」という主人公は「たんていみたいだね」と言う。

たしかにレファ係は探偵のようなところがあります。私が書いた推理小説でも主人公はレファ係として、利用客が求める資料を推理で探っていきます。また、以前に読んだ門井慶喜『おさがしの本は』(光文社文庫、2011年)も、主人公はレファレンス・カウンターで勤務し、依頼された本を推理力を駆使して探します。