杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

図書館雑感

武田友紀『「繊細さん」の本 「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる』(飛鳥新社、2018年)を図書館で予約したらなんと順位が105だった。一人が一度で2週間借りられるので、最長で210週間(約4年!)も待たなくてはならない勘定だが、幸い地元図書館に6冊あるので、6で割ると30週超となる。それでも半年以上、待つことになる。

図書館ヘビーユーザーなので、ほとんど毎日のように資料を予約している。一読して気に入れば、あるいは資料としての価値があると思えばその後ためらいなく買うが、たいていの本は必要なところに目を通して、必要に応じてコピーを取って終わりである。調べ物や書き物をする人にとっての本というのは、だいたいそういうものだろう。愛書家のような人は本を借りず、新刊か絶版なら古書で買ってカフェなどで味読し、架蔵して宝物のように愛でるのではないか。それはそれで結構なことだと思うが、そんな気持ちで本を買い集めたら私の書斎はすぐに溢れてしまう。そんなことはできないので、予約して借り、読んだら返して終わり、を続けるのである。

地元図書館では村田沙耶香コンビニ人間』と恩田陸蜜蜂と遠雷』が、長く貸出ベストの上位に入っている。他にもあるかも知れないが、特に『コンビニ人間』はニーズが絶えないので印象に残っている。これだけの人が借りずに買えば、村田沙耶香の印税は倍増するのではないかと思うことがある。図書館は「無料貸本屋」であり、そのせいで印税が減ってしまうので作家は迷惑している、などということをどこかで聞いたか読んだかした記憶がある。たしかにそういう側面があるのは否定できないが、私のようなヘビーユーズするしかない物書きは他にもたくさんいるだろうし、図書館で借りて読む趣味読書の人は目当ての本がなければ他の本を借りるだけだろう。そういう人は、ひたすら図書館か古書店のワゴンセールの本を漁るような人であるように思う。なお私は、これは買うべきだと思った本はどれだけ高くても買っている。

私はレファレンスサービスもたまに利用している。役に立たないスタッフに当たることもしばしばあるが、レファに頼んだことで調べ物に有効な回答を得られたことは少なくない。

図書館には深く感謝している。