杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

世界を創り、お話を書く。

小説家の生活

これまで小説を何作も考え、書いてきましたが、最近はちょっと距離を取り、休んでいます。

それで散歩などしながら、ときどき考えるのですが、私がこれまで飽かず追求し、目指してきた小説家って、そもそもどういう仕事なのだろうか。作品を仕上げれば編集者と打合せをしたりして直し、表紙などのデザインができて、印刷にかけられて書店に並び、売れれば印税が入り、増刷されればさらに膨らんで…また無名の新人であればまずは賞を取り、名を売って…というビジネス面の、しかもプロとしての歩みの部分の方を想像することが多かったですが、小説はそもそも一つの「お話」で、そのお話をきちんと書くには背景となる「作品世界」の創り込みが不可欠だろうと思います。

編集者と打合せ、サイン会があれば書店に出向いて、という商売上のことを抜きにして小説家の職業者としてのあるべき習慣とは何かと考えると、それは「世界を創り、お話を書く」ということではないか。

アスリートが食事制限とトレーニングをして体を作り、練習をして、過去のプレーを分析して技を磨き、そして大会などの実戦の場に出るように、小説家は想像の世界を膨らませ、そこに生きる人間の話を書き、そして発表(販売)して世に問う、ということを繰り返すのではないかと思います。

こんな風に言葉で書くのは簡単で、実行し続けるのはけっこう難しいのですがね…