杉本純のブログ

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人間保護色論

以前、美輪明宏さんが「人間保護色論」という考えを提唱していました。

人間はカメレオンのように周辺にある物や人、ひいては集団とか組織から文化的、精神的な影響を受け、それが当人の人間性を形成し、膜のように当人を包み込むようになると。

それを聞いた時、学生だった私は面白いなぁと思い、文学でも映画でも古典的な名作に接したり、美意識を高められると思える物を身近なところに置いたりしたものでした。

人間関係においても、なるべく自分にとってプラスになる人との関係を大事にするよう意識したつもりです。しかし学生時代から二十代、また三十代までは率直にいって迷妄のまま悪縁の中を彷徨い続けていました。私のことを思ってくれていると思った人が実はそうでなかったり、理不尽な要求ばかりしてくる人だったりと、失敗続きだったように思います。ただし、虚心に振り返ると、それは相手が悪かったのではなく、そういう酷い人の下にいた私自身が馬鹿だったというのが正しいと思われます。

最近、筋トレの本で知ったTestosteroneという人がTwitterで「人間は周りにいる人間の色に染まる」と書いていて、ああこれはまさに「人間保護色論」じゃないかと思いました。

愚痴ばかり言う人と一緒にいると自分も愚痴っぽくなり、マウンティングがお盛んな人といると自分も立場が下の人にマウントを取りたくなる。褒め上手の人といれば自然に褒められるようになり、プレゼントを贈る習慣を持つ人といるとそうなるのかも知れません。

人は周囲に置く他人を、ある程度選ぶことができます。自分にとって望ましいと思える人と一緒にいるようにしたいものです。